計測と定量化

足底圧分布に基づくダンス技術評価手法

sato
ダンス技術の向上においては, 手本と同じ見た目に近づけて踊るだけでなく, 足腰を意識した練習を行い基礎や応用の技術を習得することが重要である. 本研究は, 工学的な側面からストリートダンスの初心者の上達を支援するために, ダンスを踊っている際の足の使い方, すなわち重心の変化に着目し, ダンス技術を定量的に評価する手法を提案する.左右足の足底圧分布の時間変化を,3種類のステップに対し測定し,経験者と初心者を比較したところ, つま先あるいはかかとのいずれかに荷重をかける際に経験者は荷重が安定するのに対し, 初心者は荷重にばらつきが見られた.
2016年度卒業研究(佐藤正隆)
情報処理学会第79回全国大会

ランニング条件によって異なる足底圧分布変化の計測とその解析

ランニングによって生じる足底の状態変化を確認するために,足底圧分布を計測し分析を行った.同じ速度で異なる距離,同じ距離を異なる速度というように条件を設けて走行実験を行い,それぞれのランニング前とランニング後に足底圧分布を計測した.実験の結果,走行条件の速度及び距離の増加に従って,ランニング後の圧力が最大となる位置の変化が生じる割合が増加した.並びに,圧力の合計,平均,圧力が計測された領域の面積においてランニング前後の有意差が確認できた.
2015年度卒業研究(上田宗平)
2016年電子情報通信学会全国大会


新しいディスプレイ

二面直交リフレクタアレイを用いた視点追従空中ディスプレイ

fujiwara
本研究では,視点追従を用いた空中像を表示するディスプレイシステムを提案する.二面直交リフレクタアレイを用いて提示する空中像ディスプレイは,光源からの光を反射等の光の性質を用いて空間上の任意の点に結像させるものである.既存のシステムでは,空中映像を適切に視認できる角度が限られており,利用者は映像が適切に見える位置を自分で発見しなければならない.提案するディスプレイは,空中像を見ている利用者の位置や視線をセンシングし,その結果に応じてディスプレイの位置やリフレクタアレイの向きをリアルタイムに制御する.装置の試験的実装を行い,従来であれば正面からのみ空中像を視認できるところを本システムでは前後左右いずれの方向に対しても空中像を提示できることを確認した.
2016年度卒業研究(藤原徹平)
インタラクション2017 インタラクティブ発表


ハプティクス(力触覚)

多様な筆記感を表現できるスタイラスペン

ohsuga近年,スマートフォンやタブレット端末の普及により,スタイラスペンを用いた筆記機会が増加している.それらの端末での筆記においては,ディスプレイ面のガラスとペン先の導電性素材により決定される単一の筆記感しか得ることができず,紙での筆記と比較すると,書いている感覚が乏しく違和感を覚える.本研究では,スタイラスペンとの接触部の特性を動的に変化させることで,多様な筆記用具の筆記感を提示する手法を提案する.
2016年度修士論文(大菅誠弥)
インタラクション2016 インタラクティブ発表

空気圧制御を用いた足底への路面状態提示

takata
体験の共有を実現するVRシステムにおける臨場感の向上のために,路面状態に着目し,足底に対して動作に合わせた硬度提示を行うことで様々な場所の踏み付け感覚を提示するシステムを構築する.提案システムでは,体験者の体重移動を複数の荷重センサにより測定して動作を認識し,路面状況の提示を空気圧の増減ことによる粉体の密度制御により,硬度の違いを表現する.
2016年度修士論文(高田大樹)
2016年電子情報通信学会全国大会

滑らかな表面を提示する形状再現装置

本研究では,滑らかな表面を提示する形状再現装置を提案する.提案する装置の構成は,円柱型容器の上面を,柔軟性のあるシートで覆ったものである.水平に配された柔軟性のあるシートの裏面に複数のテグスが接着されており,これらに対してサーボモータにより張力を与えることにより,再現したい物体形状の凹凸を生成する.容器の内部にはポリスチレン発泡ビーズが封入されており,空気圧の増減により再現した形状の硬さを変化させることが可能である.
2016年度卒業研究(酒匂大輝)

動物らしさを再現する触感提示デバイスの開発

2015年度卒業研究(原田さやか)


訓練・学習・支援

バーチャルフライ捕球シミュレータ

tsuda
スポーツトレーニングにおいては,VR技術を利用することにより,トレーニングを行いたい状況の再現をすることができ,パフォーマンスの向上を効率的に図ることが可能となる.本研究では,フライの捕球を対象とする.広い空間で小さなボールを捕球する野球のフライ捕球は,初心者にとって困難な動作である.フライ捕球の状況をVR技術を用いて再現することで,ボールの落下位置の推測を行い,場所や人数の制限がなく,ユーザがトレーニングを行いたい環境での訓練が行える,野球のフライ捕球をするシステムを構築する.
2016年度卒業研究(津田直彦)
情報処理学会第79回全国大会

英語学習のためのバイノーラル再生を用いた対話的臨場感提示システムの構築

本研究では,学習理論に基づいたコミュニケーション学習環境をバーチャルに実現することを目標とする.体験者に提示する空間は,英語環境で頻繁に用いられるコミュニケーションが行え,かつ視覚・聴覚的に没入できる空間とする.また,音声認識を用いた会話形式にすることによって,ユーザに主体性が必然的に求められるシステムとする.体験者の応答に応じて次のシーンに移る仕組みを作成し,これが繰り返されることによって,ユーザにシステムへの主体的な関わりを促す.視覚提示にはHMD,聴覚提示にはバイノーラル再生を用いる.コンテンツは,外国人の一般的な日常生活を想定したものとする.
2016年度卒業研究(大城澄香)
インタラクション2017 インタラクティブ発表

視線の動きに基づく英語多読支援

SONY DSC
英語学習法の一つに,辞書を引かずに理解できる難易度の文章を大量に読む多読がある.多読では英文を英文のまま理解することを重要視し,視線を戻す返り読みをせず辞書も引かないことが推奨されているが,英語と語順が異なる日本語を母語とする学習者には難度が高い.本研究では,読中にユーザの視線を誘導する視覚刺激を提示することで返り読みを防ぎ,読後には視線の滞留時間に基づいて推定された未知単語の意味を表示する機能を持つ多読支援システムを構築する.
2016年度卒業研究(林田賢二)
インタラクション2017 インタラクティブ発表
フォーラム顔学2017 ポスター発表 (輿水賞受賞)

表紙と内容の関連に基づく書籍推薦システム

電子書籍の普及に伴い,表紙デザインの印象の重要性が高まっている.本研究では,ユーザの表紙に対する好みを利用して,類似の読書嗜好を持つ他のユーザを発見し,ユーザが好むと推測される書籍を推薦する手法を提案する.また,表紙画像と書籍内容から得られる特徴量の関係を解析し,提案手法により推薦可能な書籍の条件について検討する.
2015年度修士論文(親泊広直)
エンタテインメントコンピューティング2015

効果音付与による持続的筋力トレーニングシステム

IMG_2225筋力トレーニングはスポーツにおけるパフォーマンス向上や生活習慣病の予防に有用であるが,単調な動きを繰り返すため,他のスポーツや運動に比べてモチベーションの維持が難しい.本研究では効果音に着目し,トレーニングをする際に運動に同期して効果音を提示することで,トレーニング者のモチベーションを向上させて持続的なトレーニングを可能とするシステムを提案する.
2015年度卒業研究(田中勇祐)
2016年電子情報通信学会全国大会

空間理解のためのインタラクティブ教育支援システム

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本研究では,高校数学の単元のうち空間ベクトルや空間図形等の3次元空間に関連した2次元の図では理解し難い分野に着目し,3次元空間の奥行方向の形状把握を容易にするシステムを構築する.自由な視点から対象を観察することにより空間の把握が容易に行えることから,視点変更を可能にする.また,自分の手で3次元空間内の物体を操作することで物体の動きや大きさなどの距離感覚が把握しやすくなるため,手による物体の操作を可能にする.システム使用時の授業コンテンツを作成し,評価実験を行った結果として,空間ベクトルの平行と分解の理解の促進となり,空間理解の学習支援になることがわかった.
2015年度卒業研究(城隆之)
2016年電子情報通信学会全国大会

姿勢推定に基づくボルダリング登攀支援システム

toyomoto
本研究ではボルダリング登攀技術の習得を支援するために,手の位置から足をかける最適なホールドを選出し,登攀者に提示するシステムを構築する.システムは,ホールド抽出部と,足ホールド指示部から構成される.ホールド抽出部でボルダリング壁面画像から画像処理によりホールドを抽出する.足ホールド指示部では,最も付加のかからない姿勢を人体の関節トルクの合計が最小である状態として,指定された手の位置に基づき,足をかける最適なホールドを逆運動学,静力学計算,最適化によって選び出し登攀者に提示する.
2015年度卒業研究(豊本敬四郎)
2016年電子情報通信学会全国大会

心身状態を反映する自動調香アロマディフューザーの構築

yoshikawa
本研究では,ユーザの心身状態に適したアロマの香りを,ユーザの帰宅時間に合わせて,自動的に提示するシステムを構築する.帰宅時の心身状態は,Web上でのスケジュール管理アプリケーションに入力されたユーザの予定内容から推定する.心身状態は多面的感情状態尺度で表現し,時間経過による変化を反映する推定モデルを提案する.心身状態と香りを対応付け,PCから制御可能なアロマディフューザーにより,自動的な嗅覚提示を実現する.
2015年度卒業研究(吉川楽)
2016年電子情報通信学会全国大会

手本プロジェクションによる臨書学習支援システム

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本研究では,書道における運筆に着目し,書道の学習方法として一般的な臨書学習において,運筆を提示することによって字形のみではなく筆の動かし方を学習できる臨書学習支援システムを構築する.実際の環境と変わらない状態の毛筆や下敷き・半紙を利用し,色マーカーを取り付けた毛筆の位置座標を計測し,プロジェクターにより手本情報を半紙に投影することにより,手本文字を距離なく見て正しい筆の動きを把握しながら,書道の練習をすることが可能となった.
2015年度卒業研究(西垣香苗)


行動の変容

集中力向上のための他者の存在感提示システム

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集中することは物事に取り組む上で重要なことであり,今日,集中するために人目の存在する場所を利用して作業する人が多く見受けられる.本研究では,ある程度の人目があることで集中が高まる可能性があることに着目し,他者の存在感を提示することにより集中力を高めて作業効率の向上を図るシステムを構築する.椅子に内蔵した圧力センサからユーザの重心位置をリアルタイムに計測し,重心位置の変化量から集中度合を推定する.集中の低下を検出すると,立体音響を用いて,足音や物音により他者の存在感を提示する.集中力を測定するランダムな数字のタイピング作業によって,重心の前後運動が大きくなれば集中が低下すると推定できることを確認した.
2016年度卒業研究(石川諒)
情報処理学会第79回全国大会

“みんなで捨てたくなる”ごみ箱システム

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本研究では,ユーザのごみをごみ箱に捨てる意識の向上を目的としたごみ箱システムを提案する.提案するごみ箱システムでは,ごみを捨てることと,ユーザのスマートフォンで育成されているキャラクタの成長が連動する.ごみ箱はごみが捨てられたことを赤外線を用いたセンシングにより認識する.ごみが捨てられたことを認識すると,周囲にいるユーザ全員に,Bluetooth Low Energyを用いた通信によりポイントが送信される.捨てた本人だけでなく,ごみ箱の周囲にいる他者にもキャラクタの成長ポイントを与えることで,協調してごみ捨てを行う一体感を創出する.
2015年度修士論文(浅井駿)
エンタテインメントコンピューティング2015

食欲に影響を与える食卓照明システム

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本研究では,照明の色彩を変化させることにより,見た目のおいしさを変化させる食卓照明システムを構築する.照明効果検証実験の結果から,食品に投影する色は食品の持つ色がふさわしいことが分かった.食品に対してプロジェクタにより付加的な色彩を投影するシステムを実現した.実装したシステムは単一色の食品に対して適応可能であり,食品の見た目のおいしさを向上することができた.
2015年度卒業研究(村井裕樹)
2016年電子情報通信学会全国大会

映像コンテンツ視聴時におけるCG観客を利用した笑いの増幅

本研究では,映像コンテンツを一人で視聴している時に視聴者の笑うタイミングに合わせて一緒に笑うCGの観客を提示して,劇場の臨場感を再現し,本当に劇場にいるかのような感覚を与えることで笑う量を増幅させる手法を提案する.映像コンテンツとCG観客と劇場を提示するデバイスとしてHMDを用いる.視聴者の笑うタイミングは加速度センサを腹部(第6肋骨と第7肋骨の間の肋骨弓の下の腹直筋)に装着することで検出する.提案システムを用いた実験を,動画コンテンツ2つとCGの有り無しを組み合わせた4つのパターンの視聴により行い,笑い増幅効果の有無を笑った回数と継続時間で評価した結果,笑った回数が提案システムの使用により有意に増加し,提案システムの笑い増幅効果が示された.
2015年度卒業研究(向井耀)
2016年電子情報通信学会全国大会

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