e-sportsにおけるプレイヤーの技能向上支援
本研究は,シンプルなゲーム性でありながらプレイヤーの技能が反映されやすいファーストパーソンシューティングゲーム(以下FPS)を対象とし,e-sportsにおける技能の向上を目的とする.FPSにおける上手いプレイの要因を明らかにし,またその要因と結びつく技能を向上させるためのシステムを構築する.上級プレイを構築する技能の抽出のために,上級プレイと初級プレイのデータを計測し各データを比較し,上級プレイはリロード(弾の再充填)操作と敵を倒す前3秒間のマウスのx軸方向の移動量に特徴があることがわかった.上記で挙げた技能を向上させる練習プログラムを2種類作成し,練習プログラムの有効性を確認する比較実験を行った結果,練習プログラムを利用することで利用していない状態よりもゲームスコアと技能が向上することを確認した.
2019年度卒業研究 (村田悠樹)
ディスレクシア患者のための可読性向上システム
識字能力の障害の1つにディスレクシア(読み書き障害)があり,知的発達に遅れはないが学習面での著しい困難を示すと報告されている.本研究では識字能力に障害があるディスレクシア患者の文章の可読性向上を目的とした識字能力拡張手法を提案する.周辺環境の文字情報を対象に文字認識を行い,ディスレクシア患者に適した文字形態に変換し,最も視認性の高い平面に重畳表示することで文章の可読性を向上させる.可読性向上システムの実装において,オプティカルシースルー型ARデバイスはMagic Leap One,文字認識をGoogle Cloud Vision APIを用いた.本研究では提案システムの機能評価と可読性向上評価の2つの評価実験を行った.評価の結果,健常者に対する可読性向上の効果を確認できた.
2019年度卒業研究 (柴田大輔)
バーチャルフライ捕球シミュレータ
スポーツトレーニングにおいては,VR技術を利用することにより,トレーニングを行いたい状況の再現をすることができ,パフォーマンスの向上を効率的に図ることが可能となる.本研究では,フライの捕球を対象とする.広い空間で小さなボールを捕球する野球のフライ捕球は,初心者にとって困難な動作である.フライ捕球の状況をVR技術を用いて再現することで,ボールの落下位置の推測を行い,場所や人数の制限がなく,ユーザがトレーニングを行いたい環境での訓練が行える,野球のフライ捕球をするシステムを構築する.
2016年度卒業研究(津田直彦)
情報処理学会第79回全国大会
英語学習のためのバイノーラル再生を用いた対話的臨場感提示システムの構築
本研究では,学習理論に基づいたコミュニケーション学習環境をバーチャルに実現することを目標とする.体験者に提示する空間は,英語環境で頻繁に用いられるコミュニケーションが行え,かつ視覚・聴覚的に没入できる空間とする.また,音声認識を用いた会話形式にすることによって,ユーザに主体性が必然的に求められるシステムとする.体験者の応答に応じて次のシーンに移る仕組みを作成し,これが繰り返されることによって,ユーザにシステムへの主体的な関わりを促す.視覚提示にはHMD,聴覚提示にはバイノーラル再生を用いる.コンテンツは,外国人の一般的な日常生活を想定したものとする.
2016年度卒業研究(大城澄香)
インタラクション2017 インタラクティブ発表
視線の動きに基づく英語多読支援
英語学習法の一つに,辞書を引かずに理解できる難易度の文章を大量に読む多読がある.多読では英文を英文のまま理解することを重要視し,視線を戻す返り読みをせず辞書も引かないことが推奨されているが,英語と語順が異なる日本語を母語とする学習者には難度が高い.本研究では,読中にユーザの視線を誘導する視覚刺激を提示することで返り読みを防ぎ,読後には視線の滞留時間に基づいて推定された未知単語の意味を表示する機能を持つ多読支援システムを構築する.
2016年度卒業研究(林田賢二)
インタラクション2017 インタラクティブ発表
フォーラム顔学2017 ポスター発表 (輿水賞受賞)
表紙と内容の関連に基づく書籍推薦システム
電子書籍の普及に伴い,表紙デザインの印象の重要性が高まっている.本研究では,ユーザの表紙に対する好みを利用して,類似の読書嗜好を持つ他のユーザを発見し,ユーザが好むと推測される書籍を推薦する手法を提案する.また,表紙画像と書籍内容から得られる特徴量の関係を解析し,提案手法により推薦可能な書籍の条件について検討する.
2015年度修士論文(親泊広直)
エンタテインメントコンピューティング2015
効果音付与による持続的筋力トレーニングシステム
筋力トレーニングはスポーツにおけるパフォーマンス向上や生活習慣病の予防に有用であるが,単調な動きを繰り返すため,他のスポーツや運動に比べてモチベーションの維持が難しい.本研究では効果音に着目し,トレーニングをする際に運動に同期して効果音を提示することで,トレーニング者のモチベーションを向上させて持続的なトレーニングを可能とするシステムを提案する.
2015年度卒業研究(田中勇祐)
2016年電子情報通信学会全国大会
空間理解のためのインタラクティブ教育支援システム
本研究では,高校数学の単元のうち空間ベクトルや空間図形等の3次元空間に関連した2次元の図では理解し難い分野に着目し,3次元空間の奥行方向の形状把握を容易にするシステムを構築する.自由な視点から対象を観察することにより空間の把握が容易に行えることから,視点変更を可能にする.また,自分の手で3次元空間内の物体を操作することで物体の動きや大きさなどの距離感覚が把握しやすくなるため,手による物体の操作を可能にする.システム使用時の授業コンテンツを作成し,評価実験を行った結果として,空間ベクトルの平行と分解の理解の促進となり,空間理解の学習支援になることがわかった.
2015年度卒業研究(城隆之)
2016年電子情報通信学会全国大会
手本プロジェクションによる臨書学習支援システム
本研究では,書道における運筆に着目し,書道の学習方法として一般的な臨書学習において,運筆を提示することによって字形のみではなく筆の動かし方を学習できる臨書学習支援システムを構築する.実際の環境と変わらない状態の毛筆や下敷き・半紙を利用し,色マーカーを取り付けた毛筆の位置座標を計測し,プロジェクターにより手本情報を半紙に投影することにより,手本文字を距離なく見て正しい筆の動きを把握しながら,書道の練習をすることが可能となった.
2015年度卒業研究(西垣香苗)