知覚像の外在化による変視検査の定量化

変視症とは,空間が歪曲して見える視覚の異常であり,従来の聞き取りに基づく検査では症状の定量化が困難である.本研究では,患者の知覚像を客観的に知るために,患者自身によって知覚像を描画する検査システムを提案する.タブレットを用いて変視部位に応じた箇所に線分を提示し,患者は線分の知覚像を直接タブレットに描画する.
2019年度卒業研究 〜 継続中 (三上和真)

視野外VR空間操作による認知症疑似体験システム

認知症患者は,認知症がもたらす記憶障害によって,認識している環境と実環境との間に差異が生じている状態で日常生活を送っている.本研究では,認知症患者への理解を深めるために,記憶障害を持つ認知症患者の生活の一部を疑似体験できるVRシステムを構築する.提案システムでは,体験者が提示された一連のタスクを実行する間に,体験者に気付かれないように周囲の VR環境を恣意的に操作することで,記憶障害による認識と実際の相違を表現する.インスタントコーヒーを入れるという一連のタスクを実施し,その間に認知症の記憶障害によって引き起こされる現象を体験できるシステムを実装した.実装したシステムが認知症に対する理解促進するかについて評価実験を行ったところ,効果が確認できた.
2019年度修士論文 (上田悠人)