MR流体を用いた手首関節剛性制御による抵抗力提示デバイス
MR流体は高速応答性を有し,磁場が印加されると,磁束方向に垂直な方向にせん断応答を示す.本研究では,MR流体の特性を利用した小型かつ軽量な手首装着型抵抗力提示デバイスを提案する.MR流体を封入したゴムチューブに印可する磁束密度を制御することによって,手首関節の剛性を高めることで抵抗力を提示する.磁束密度の制御はネオジム磁石を用い,MR流体と磁石間の距離をリニアアクチュエータによって調整することで行う.
2018年度卒業研究〜継続中 (船引大輝)
腱振動刺激による運動錯覚と物体接触感覚との相互作用
本研究の目的は,腱への振動刺激により体が動いたように感じる運動錯覚を利用した力触覚提示技術の確立である.振動刺激提示時に体の一部が物体に接していると異なる錯覚が生起することに着目し,運動錯覚と他刺激の統合による錯覚の内容と生起条件を明らかにする.運動錯覚を提示可能なデバイスを製作し,運動錯覚提示条件の違いによる最大錯覚角度を求め,最大錯覚角度を提示する運動錯覚提示条件を用いて物体接触感覚との相互作用による錯覚の内容を記録する.運動錯覚提示条件の違いによる最大錯覚角度の計測の結果,腱振動刺激時の押し込み力と弱い相関がみられた.この結果に基づき,左手示指MP関節屈曲運動錯覚と同指末節への物体接触感覚を同時提示する実験を行ったところ,物体接触位置に応じて物体から受ける抵抗感に有意な差が見られた.
2018年度卒業研究〜継続中 (與野航)
音波による振動を用いた触感提示デバイス
本研究では,多様な触感の再現を目標として,音波を接触面に対して照射することで接触面に振動を生成して,触れた皮膚に振動刺激を与え,触感提示を行う手法を提案する.音波は様々な周波数があるため広帯域性があり,音圧も広い範囲で変更可能である上,周波数・音圧の調整,提示が容易に行える.音響装置にパラメトリック・スピーカー,接触面の素材にアルミ板を用いた試作デバイスを作成した.試作デバイスの性能を確認するために主観的な触感の提示性能評価実験を行った結果,「マクロ粗さ」,「ミクロ粗さ」,「摩擦感」の項目において異なる触感を提示可能であることを確認した.
2019年度卒業研究〜継続中 (岡本裕大)
多様な筆記感を表現できるスタイラスペン
近年,スマートフォンやタブレット端末の普及により,スタイラスペンを用いた筆記機会が増加している.それらの端末での筆記においては,ディスプレイ面のガラスとペン先の導電性素材により決定される単一の筆記感しか得ることができず,紙での筆記と比較すると,書いている感覚が乏しく違和感を覚える.本研究では,スタイラスペンとの接触部の特性を動的に変化させることで,多様な筆記用具の筆記感を提示する手法を提案する.
2016年度修士論文(大菅誠弥),2018年度卒業研究(伊井千晶)
インタラクション2016 インタラクティブ発表
空気圧制御を用いた足底への路面状態提示
体験の共有を実現するVRシステムにおける臨場感の向上のために,路面状態に着目し,足底に対して動作に合わせた硬度提示を行うことで様々な場所の踏み付け感覚を提示するシステムを構築する.提案システムでは,体験者の体重移動を複数の荷重センサにより測定して動作を認識し,路面状況の提示を空気圧の増減ことによる粉体の密度制御により,硬度の違いを表現する.
2016年度修士論文(高田大樹)
2016年電子情報通信学会全国大会
滑らかな表面を提示する形状再現装置
本研究では,滑らかな表面を提示する形状再現装置を提案する.提案する装置の構成は,円柱型容器の上面を,柔軟性のあるシートで覆ったものである.水平に配された柔軟性のあるシートの裏面に複数のテグスが接着されており,これらに対してサーボモータにより張力を与えることにより,再現したい物体形状の凹凸を生成する.容器の内部にはポリスチレン発泡ビーズが封入されており,空気圧の増減により再現した形状の硬さを変化させることが可能である.
2016年度卒業研究(酒匂大輝)
動物らしさを再現する触感提示デバイスの開発
2015年度卒業研究(原田さやか)